認知症患者への虐待について考える

介護虐待で多い事項は

介護施設での虐待がニュースでたびたび取り上げられ、問題となっています。
こうした高齢者を対象とした虐待にはいろいろなものがありますが、もっとも多いものとしては、直接体を叩くなどの暴力的な虐待と、暴言を吐いたり無視をするといった、心理的虐待などが挙げられます。

実際にあった例としては、自力で動くことのできない要介護者がケガをしていて、そのケガがどう見ても不自然だったというもの。
しかし、こちらのケースでは実際に虐待が発生していたのかどうかを突き止めることはできなかったそうです。

介護の現場は要介護者と介護士の2人きりで行われることが多かったり、要介護者が認知症であることから詳細を確認することができないといった経緯があります。
実際に虐待を受けている高齢者の8割以上が認知症を患っていて、その全貌が明るみに出にくいといった背景があるのが難しいところです。

介護虐待が発生してしまうのはなぜ?

虐待を受ける高齢者の多くが認知症であるのは、認知症だから虐待をしていいと思っているわけではなく、認知症を患っている要介護者への介護が非常に難しいという点が大きいです。
話をしてもなかなか伝わらないことが多い上に、場合によっては介護士が暴力を受けてしまうこともある。
こうしたことが、虐待につながってしまっているのではないでしょうか。

また、介護士が深刻な人員不足の問題を抱えており、1人あたりの業務が多すぎて心身ともに疲れてしまっていることも要因の一つではないかと思われます。
介助業務は腰に負担がかかりやすく、腰痛をもっている介護士は多いですが、体調が悪くても人手が足りないので休むことができず、その積み重ねがストレスになってしまうのです。

介護虐待を防ぐには

前述したように、介護虐待が発生してしまう理由にはいろいろな原因があるので、虐待を防ぐ対策についてもさまざまなものが考えられます。

まずは介護施設での人員不足の解消です。
介護の仕事は重労働であるにも関わらず、賃金が低いことで知られています。
この悪循環が解消されないと、人員不足も解消されません。
労働体勢や賃金において、介護施設側は大きな見直しを行い、まず人員不足を解消する必要があると考えます。

あとは、要介護者のご家族と介護士が円滑なコミュニケーションをとり、介護士だけに精神的な負担がかからないようにすること。
もちろんお金を支払って身内を施設に預けているのですから、施設側は責任を持ってお世話をする必要があるのですが、やはり自分の家族のことなので、任せきりも問題です。
要介護者が心地よく施設での生活を送るには、介護士と要介護者の家族がしっかりと連携をとり、問題を解決していく協力が不可欠なのではないでしょうか。